自立した生活を送るための運動の強度についてのお話

老後も健康で自立した生活を送るには、日々の活動量を増やすことが重要です。この記事では、シンプルながら効果的なエクササイズ、日常生活での活動の組み込み方、そして意外と運動負荷の高い家事について詳しく解説し、METS(代謝同等量)換算表を用いて、これらの活動がどれだけのエネルギーを消費するかを分かりやすく説明します。
運動強度の指標 METS(代謝当量)
シンプルなエクササイズの運動強度
日常生活での運動の組み込み方
家事の運動強度について
65歳以上の高齢者における最低限の活動について

運動強度の指標 METS(代謝当量)
運動強度の指標の一つにMETS(代謝当量)があります。METSは、特定の活動が消費するエネルギー量を、安静時のエネルギー消費量と比較したものです。安静時のエネルギー消費量(1 MET)は、成人で1時間あたり約1カロリー(kcal)×体重(kg)とされています。つまり、体重が60kgの成人が1時間安静にしていると約60kcalを消費することになります。
”METSが2の活動”であれば、その活動は安静時の2倍のエネルギーを消費することを意味します。同じく60kgの人が、METSが2の活動を1時間行うと、約120kcalを消費する計算になります。METSの数値が高いほど、その活動はより多くのエネルギーを消費するということを示していて、運動強度の指標になります。
以下にはMETSの簡単な捉え方が記載してあります。
・1MET :安静時のエネルギー消費量(例: 座ってテレビを見る)
・2~3 METs: 軽い活動(例: ゆっくり歩く、家事をする)
・4~6 METs: 中程度の活動(例: 速歩き、軽いスポーツ)
・7 METs以上: 激しい活動(例: ジョギング、激しいスポーツ)
日々の生活の中でMETSを意識することは、自身の活動量を増やすべきかを判断するのに役立ちます。自分のライフスタイルに合わせて、適切な活動レベルを見つけることが、健康維持と自立した生活への鍵となります。
シンプルなエクササイズの運動強度
日常的に簡単に行うことができる運動は、どの程度の運動強度があるでしょうか。
復習ですが、METSが2の場合は、安静時の2倍の消費カロリーがあるということになります。
ここでは、消費カロリーは運動の強度を示します。
散歩 METS: 3.0
日々の散歩は、生活習慣病や循環器疾患の予防やストレス解消に効果的です。30分の速歩で約100kcalを消費します。
ゆっくりの歩行だと2.5程度になることもあります。
ストレッチ METS: 2.5
筋肉の柔軟性を高め、関節の動きをスムーズにします。日々のストレッチングで血流が改善され、リラックス効果もあります。
自宅での軽い筋トレ METS: 3.5-4.0
腕立て伏せやスクワットなど、体重を利用したエクササイズは、筋力の維持・向上に役立ちます。1セット10回から始めて徐々に回数を増やしましょう。
日常生活での運動の組み込み方

最も優れている活動というのは提唱されていません。自宅の中で座っているだけなく、立つ、しゃがむ、歩く、上るなどの身体の活動を確保することが重要です。簡単にできる日常生活における運動の組み込み方を紹介します。
階段の利用 METS: 4.0
安静時の4倍ものカロリー消費をします。長く行うことは出来ませんが、意識して階段を使うことは素晴らしい運動だと思います。
ガーデニングや水やり、動物の世話 METS: 2.3
植物を育てたり、ペットの世話をすることもカロリー消費に寄与します。億劫になることも活動の機会ととらえて動きましょう。
立ち止まりながらの買い物 METS: 2.5-3.0
いつもは行かないスーパーや百貨店など、ふらふらと歩くこともとても重要で気晴らしにもなります。
家事の運動強度について

家事も座っているよりも運動強度の高い活動になります。組家事は単独では運動強度はそこまで高くありませんが、長時間行う料理や他の家事も行えばなかなかの活動量になります。いくつかをご紹介いたします。
掃除 METS: 3.5
床を掃く、モップをかけるなどの掃除活動は、中程度の運動強度に相当します。1時間の掃除で約150~200kcalを消費することができます。
洗濯を干す METS: 2.4
腕を使って洗濯を干すことも運動になります。
食事の支度 METS: 2.0
立っての食事の支度は、60kgの方が2時間行った場合240kcalを消費します。
65歳以上の高齢者における最低限の活動について
厚生労働省から出された健康づくりのための身体活動基準2013では、1週間に10METS・時 行うことが必要と言われています。3METSの通常速度の歩行で換算すると1週間で3時間20分ほど実施するような活動量になります。そのほかに、横になったまや座ったまま以外の活動で毎日40分間、どんな活動でも良いので動くということが推奨されています。40分間であれば何とか確保できる方も多いのではないかと思います。まずは、簡単にできる家事や趣味、階段の利用など出来ることから活動量を意識してみてください。
運動強度についての記事を読んでいただきありがとうございました。
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保有資格:理学療法士、修士(理学療法学)、認定理学療法士(運動器)
住環境コーディネーター2級
略歴:理学療法士免許取得後、大学病院に勤務し、整形外科、神経疾患、がんなど様々な疾患の理学療法に従事する。
その後、大手自費リハビリ施設にて勤務し、医学的根拠(エビデンス)の基礎を学び、店舗・訪問リハビリにて利用者様に尽力する。
エビデンスに基づくサポートができるように、多数の学会発表や論文執筆を通じてさまざまな疾患やトレーニングの学習に励む。
過去の経験を活かし、在宅でも本格的なリハビリをお届けするために、自費訪問リハビリサービスのRehab Tokyoを設立。



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