高齢者に多いフレイル(虚弱)のお話

本日は高齢者に多いフレイル(Frailty)のお話をしていきたいと思います。フレイルというのは普段聞きなじみのない言葉かもしれません。フレイルとは、高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態と定義されています1)。筋力の低下などの身体的問題だけでなく、認知機能の問題や、独居や経済的な困窮などの社会的問題も含む概念です。フレイルは、診断から介護予防における観点で近年注目されています。
フレイルの基準について
フレイルの基準はさまざまなものがありますが、最もよく使用される診断はFriedらの提唱したものです。Friedらは身体的フレイルの定義として、1)体重減少、2)疲労感、3)活動量低下、4)緩慢さ(歩行速度低下)、5)虚弱(握力低下)、の5項目を診断基準(CHS基準)として、3つ以上に当てはまる場合はフレイルとして診断し、1つまたは2つ該当する場合はフレイル前段階としています。
フレイルに該当することにより、転倒リスク、移動の障害、日常生活動作の障害、入院予後、死亡リスクとの関連が認められています。
しかし、フレイルは、可逆性であり適切に対処すれば自立へと移行できますが、放置すれば要介護状態のリスクが上がると言われています。

フレイルを改善するには?(運動編)
身体の機能を上げるために最も重要であるのが、定期的な活動・運動・余暇のスポーツ活動と食事の組み合わせです。有酸素運動、筋力トレーニング、バランス運動を含む多要素の運動トレーニングプログラムは、歩行の改善、筋肉量と筋力の増加、転倒の減少、日常生活活動のパフォーマンスの向上、および健康状態の改善に最も効果的であると言われています2)。また、運動に関してはフレイルかどうかに関わらず、早歩きなどの中強度の身体活動を最低30分間、週に5日以上行うように勧められています3)。Pahorらの論文では、施設で週2回、自宅で週1-4回(徐々に増やしています)の中強度の運動(バランスエクササイズ、筋力トレーニング、柔軟)を行いました。結果は、教育のみの群と比較し、歩行障害および死亡の確率が減少したと報告しています2)。
さまざまな論文で共通しているのは、中強度以上の運動が必要であることと、週3-4回以上の運動が重要であることです。
皆様は週に3-4回以上の運動ができていますでしょうか。なかなか時間が取れないこともあると思いますが、家事をしたり余暇活動をすることでも運動となる場合があります。例えば、部屋の片づけや料理、浴槽の掃除などは中強度の運動強度に該当します。日常生活の中で意識をして、階段を使ったり、積極的に歩くことも効果があると思います。
注意点としては、上記の介入は患者様によって理学療法士が独自にメニューを考案しています。専門家に体の評価をしてもらうことも重要であると考えられます。まずは、自分の出来る中強度の活動から行ってみると良いかもしれません。
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参考文献
1) フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント 一般社団法人日本老年医学会
2) Pahor M, Guralnik JM, Ambrosius WT, et al. Effect of structured physical activity on prevention of major mobility disability in older adults: the LIFE study randomized clinical trial. JAMA. 2014;311(23):2387–2396.
3) Cruz-Jentoft AJ, Landi F, Schneider SM, et al. Prevalence of and interventions for sarcopenia in ageing adults: a systematic review. Report of the International Sarcopenia Initiative (EWGSOP and IWGS). Age Ageing. 2014;43(6):748–759.
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保有資格:理学療法士、修士(理学療法学)、認定理学療法士(運動器)
住環境コーディネーター2級
略歴:理学療法士免許取得後、大学病院に勤務し、整形外科、神経疾患、がんなど様々な疾患の理学療法に従事する。
その後、大手自費リハビリ施設にて勤務し、医学的根拠(エビデンス)の基礎を学び、店舗・訪問リハビリにて利用者様に尽力する。
エビデンスに基づくサポートができるように、多数の学会発表や論文執筆を通じてさまざまな疾患やトレーニングの学習に励む。
過去の経験を活かし、在宅でも本格的なリハビリをお届けするために、自費訪問リハビリサービスのRehab Tokyoを設立。



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