バランス力と体幹筋力の深い関係:健康な体を支えるための基本となる体幹機能

年齢を重ねるとともに、転倒のリスクや体調不良が気になる方も増えてきます。
日常生活でのちょっとした動作が、思った以上に身体に負担をかけることがありますが、その根本的な原因の一つは「バランス」にあるといわれています。
実は、バランスはただの「倒れない力」ではなく、体幹筋力と密接に関係していることが、最近の研究で明らかになっています。
体幹筋力とは、腹筋や背筋など、体の中心部分にある筋肉群のことを指し、この筋肉群の強さが、姿勢や動作の安定性に大きな影響を与えます。体幹がしっかりしていると、日常生活での転倒リスクが減り、疲れにくく、効率的に体を使えるようになります。
今回は、「バランス力」と「体幹筋力」の関係について、科学的な視点から詳しく探っていきます。自分自身の健康のためにも、ぜひ参考にしてください。

体幹筋力とバランスについていくつかの研究を紹介します。
・75-80歳の323名を対象にした研究では、背筋の筋力とバランスに関係があり、背筋力はバランスの18%を占める可能性があることを示しました1)。
・平均年齢79歳の高齢者を対象とした研究では、背筋の持久力とバランステスト(Berg Balance Scale)に関係を認め、バランステストの17%ほどは背筋持久力で説明がつく可能性が示されています2)。
加えて、この論文では、大腿(太もも)の筋力よりも、背筋の持久力のほうがバランスへの寄与が大きいといった結果になっており、体幹の筋力の重要性を物語っています。
腹筋(主に腹直筋)の筋力・持久力についても計測がなされていますが、本論文では、バランスとの関連性はみられませんでした。
このようにバランス能力と背筋筋力は関係が多く認められています。
バランス能力と体幹筋力は、特に高齢者において関係が強いことが示されていて3)、高齢者のバランスには背筋の持久力や強さを強化することが望ましいと思われます。
1) Sakari-Rantala R, Era P, Rantanen T, et al. Associations of sensory-motor functions with poor mobility in 75- and 80-yearold people. Scand J Rehabil Med.
1998;30(2):121–7.
2) Suri P, Kiely DK, Leveille SG, Frontera WR, Bean JF. Trunk muscle attributes are associated with balance and mobility in older adults: a pilot study. PM R. 2009 Oct;1(10):916-24.
3) Granacher U, Gollhofer A, Hortobágyi T, Kressig RW, Muehlbauer T. The importance of trunk muscle strength for balance, functional performance, and fall prevention in seniors: a systematic review. Sports Med. 2013 Jul;43(7):627-41.
このように体幹筋力は、足の筋力と同様にバランスに大きな影響を及ぼす因子です。
ふらつきやバランスに自信のない方は体幹トレーニングを検討するのも良いかもしれません。
体幹筋力がバランスに及ぼす効果については、また次回に説明したいと思います。
それではまた!!
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保有資格:理学療法士、修士(理学療法学)、認定理学療法士(運動器)
住環境コーディネーター2級
略歴:理学療法士免許取得後、大学病院に勤務し、整形外科、神経疾患、がんなど様々な疾患の理学療法に従事する。
その後、大手自費リハビリ施設にて勤務し、医学的根拠(エビデンス)の基礎を学び、店舗・訪問リハビリにて利用者様に尽力する。
エビデンスに基づくサポートができるように、多数の学会発表や論文執筆を通じてさまざまな疾患やトレーニングの学習に励む。
過去の経験を活かし、在宅でも本格的なリハビリをお届けするために、自費訪問リハビリサービスのRehab Tokyoを設立。

