バランスを向上させるための体幹筋力トレーニング

今回も体幹筋力とバランスの関係についての科学的な知見をいくつか紹介します。
体幹筋力とは、腹筋や背筋など、体の中心部分にある筋肉群の筋力のことを指し、この筋肉群の強さが、姿勢や動作の安定性に大きな影響を与えます。
体幹がしっかりしていると、日常生活での転倒リスクが減り、疲れにくく、効率的に体を使えるようなると考えています。
今回は、体幹の筋力トレーニングがバランスにどのような影響を与えるかを解説していきます。
自分自身の健康のためにも、ぜひご覧ください。
63-80歳の高齢者を対象とした研究では、体幹の筋力トレーニングを2か月間行うことで、体幹の筋力はもちろん、歩行速度、歩行時のふらつき(歩幅の標準偏差)、FRT(手を前に伸ばして測定するバランスの検査)が向上したことを示しました1)。
2か月間の体幹トレーニングは週2回、1回60分間、18セッションでした。
どのようなトレーニングであったかは下に例を示しておきます。
1) Granacher U, Lacroix A, Muehlbauer T, Roettger K, Gollhofer A. Effects of core instability strength training on trunk muscle strength, spinal mobility, dynamic balance and functional mobility in older adults. Gerontology. 2013;59(2):105-13. doi: 10.1159/000343152. Epub 2012 Oct 24. PMID: 23108436.


興味深いのは、この研究では立位姿勢でのバランスエクササイズなどは行わず、仰向け、横向き、四つ這いなど比較的安全な方法で体幹トレーニングを実施し、歩行などのバランスの改善が図られたということです。
この研究では、改善の機序は明らかになっていませんが、年齢を重ねると体幹は脂肪の蓄積が進みやすく筋力や筋量の低下が自覚されにくいため、気づかないうちに体幹筋力が低下し、バランスに悪影響を及ぼしている可能性があります。
この研究では、スイスボールやバランスパッドといった空気の入った浮き輪のようなトレーニング器具も用いられており、難易度の調整も重要であると思われます。
最期に、この論文を参考にすると体幹のトレーニングは1週間に120分程度行っており、少しハードと感じる方もいらっしゃると思いますが、一つの目安にしても良いでしょう。
ふらつきやバランスの悪さが気になる方はぜひ参考にしてみてください。
いかがだったでしょうか。
今回は、体幹トレーニングをすることでバランスを改善した研究を一つ取り上げてみました。
具体的な時間や方法など参考にしたいところですね。
それではまた!!
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保有資格:理学療法士、修士(理学療法学)、認定理学療法士(運動器)
住環境コーディネーター2級
略歴:理学療法士免許取得後、大学病院に勤務し、整形外科、神経疾患、がんなど様々な疾患の理学療法に従事する。
その後、大手自費リハビリ施設にて勤務し、医学的根拠(エビデンス)の基礎を学び、店舗・訪問リハビリにて利用者様に尽力する。
エビデンスに基づくサポートができるように、多数の学会発表や論文執筆を通じてさまざまな疾患やトレーニングの学習に励む。
過去の経験を活かし、在宅でも本格的なリハビリをお届けするために、自費訪問リハビリサービスのRehab Tokyoを設立。


