どのような運動が高齢者の転倒を減らす?

今回は、転倒を減少させる運動の種類について解説したいと思います。

こちらの論文をもとに説明します。

Sherrington C, Fairhall NJ, Wallbank GK, Tiedemann A, Michaleff ZA, Howard K, Clemson L, Hopewell S, Lamb SE. Exercise for preventing falls in older people living in the community. Cochrane Database Syst Rev. 2019 Jan 31;1(1):CD012424.

この論文の研究デザインはメタアナリシスといい、複数の研究結果をまとめて分析し、全体としてどんな傾向があるかを調べる方法です。

たとえば、ある薬が効くかどうかを調べた研究が世界中にたくさんあるとします。
1つ1つの研究だけでは結果がバラバラかもしれませんが、それらをまとめて見れば「本当に効くのかどうか」がはっきりしてきます。
メタアナリシスは、信頼できる情報を得るためにとても役立つ方法で、医療や健康の分野でよく使われています。
つまり「あるテーマにおいて複数の研究の総まとめ」と考えるとわかりやすいと思います。

この論文では、運動の種類を下記のように分けています。
どの運動が転倒の減少に効果があるのでしょうか。。。

①バランス運動とファンクショナルトレーニング

②抵抗運動(筋トレ)

③太極拳

④ダンス

⑤ウォーキング

⑥複合的な運動

結果

まず、研究全体をまとめると、運動を実施することで転倒を23%程度を減らすことができるようです。

運動の頻度や内容は、上記のようにさまざまありますが、インパクトが大きいと思いました。

続いて各運動による転倒現象の効果についてです。

①バランス運動とファンクショナルトレーニング

転倒を減らす可能性がある非常に高いエビデンス(確実性が高い)

②抵抗運動(筋トレ)

効果があるか不明

③太極拳

転倒を減らす可能性がある低いエビデンス(確実性が低い)

④ダンス

効果があるか不明

⑤ウォーキング

効果があるか不明

⑥複合的な運動

転倒を減らす可能性がある中等度のエビデンス(確実性が中くらい)

以上の結果になりました。

確実性という概念は、各研究において、研究に入り込む偶然ではない誤差(バイアス)や、研究ごとの結果の一貫性があるか、高齢者や転倒など直接的なデータが測られているか、データが十分に足りているかなど、さまざまな側面から評価されます。

バランス運動とファンクショナルトレーニングはこの中でも、非常に高いエビデンス(確実性が高い)ということは、データの質・量が十分で一貫性のある研究が多かったことを示しています。

ウォーキングや抵抗運動なども、転倒に良い効果を及ぼしそうですが、現状のデータでは確実性が高いとはいえないようです。

バランスやファンクショナルトレーニングについては、また論文を紹介しようと思います。

いかがだったでしょうか。

今回は、どのような運動が高齢者の転倒を減らすか?について解説しました。

転倒を減らすために、可能な限り適切な方法を選択したいですね。


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