リハビリで頻繁に使用される振動器具について

本日は、リハビリやトレーニングでよく使用される振動器具について解説していきます。
今回は、使用機会の多い、脳卒中患者、脊髄損傷患者を対象としてお話していきます。
特に局所に振動を加えることを目的とした器具についての、期待される効果や注意点などを説明します。

脳卒中(脳出血、脳梗塞)患者に対する効果
脳卒中患者においての振動刺激の効果については、こちらの研究を参考にします。
効用は2種類あり、①痙縮の軽減、②上肢の運動機能の向上 が挙げられます。

痙縮は、速度依存性の関節運動時の伸長反射の亢進であり、関節を動かしたときの筋肉による抵抗感のことです。
痙縮が強まると、関節の可動域に制限が出来たり、自身の運動の妨げになる可能性があり、運動のしにくさが生じます。
肘や手首、指の動きが硬いと感じている方は、振動刺激を検討しても良いかもしれません。

痙縮に対して振動刺激を当てる部位は、拮抗筋と呼ばれる関節運動に対して伸長される筋群になります。
例えば、肘をスムーズに曲げたいときには、上腕の裏にある上腕三頭筋群(図1)を狙って振動刺激を当てます。
手首を反らせるようになりたい、指を伸ばしたい場合には、前腕の屈筋群や手指の屈筋群(図2)を狙うとよいでしょう。

上肢の運動機能向上については、評価者のスキルなどにも左右されるので明言はできませんが、振動刺激によって関節運動の妨げが改善され、動作改善につながる可能性があります。
振動刺激は、固有感覚と呼ばれる関節の位置や運動感覚を司る感覚を向上させる可能性があり、それらが寄与したのかもしれません。

上腕三頭筋
前腕の屈筋群

Avvantaggiato C, Casale R, Cinone N, Facciorusso S, Turitto A, Stuppiello L, Picelli A, Ranieri M, Intiso D, Fiore P, Ciritella C, Santamato A. Localized muscle vibration in the treatment of motor impairment and spasticity in post-stroke patients: a systematic review. Eur J Phys Rehabil Med. 2021 Feb;57(1):44-60. 

脊髄損傷患者に対する効果
局所の振動刺激は、脊髄損傷患者においても痙縮に対する有効性が示されています。
今回はこちらの論文を参考にします。

脊髄損傷者に関して、ヒラメ筋や大腿直筋といった足の筋肉への局所の振動刺激は痙縮を抑制します。
最大では24時間ですが、少なくとも30分間の痙縮抑制効果が示されており、
足首や太腿に意図せず力が入ってしまう、クローヌスと呼ばれる筋肉が意図しない反復収縮が生じる場合には効果がある可能性が高いでしょう。

振動刺激の設定について
振動刺激の設定周波数は、50-120Hzの文献が多い印象があります。
購入される前に周波数を確認しておくと良いと思います。

振動刺激をあてる箇所について
振動刺激を当てる箇所については、専門家と一度お話しても良いかもしれません。
筋の痙縮やこわばりを落とすと、人によっては力が入りにくいと感じる場合もあります。
また、筋肉の筋腹(盛り上がっている場所)に当てるか、腱(筋と骨を繋ぐ部位)に当てるのかなど検討が必要です。
一般的には、筋肉の筋腹(盛り上がっている場所)に当てると、大きな痙縮抑制効果があると言われています。

Lance JW. The control of muscle tone, reflexes, and movement: Robert Wartenberg Lecture. Neurology. 1980 Dec;30(12):1303-13. 

いかがだったでしょうか。
本日は、局所振動刺激の効果や注意点についてお話しました。
局所の振動刺激は、痙縮と呼ばれる筋肉の速度依存性の硬さや感覚入力に効果があります。

お困りの方の参考になれば幸いです。
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ではまた次回!


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