転倒予防のためのリハビリ ~オタゴ運動プログラム~

今回も在宅高齢者のための転倒予防についての記事になります。
転倒予防については、インターネットの情報においてもさまざまな情報があふれています。
データで示されている効果もあれば、対象や測定方法などが曖昧なもの、データすら出ていないものなど様々あります。
今回は、転倒回数を減らす可能性が高いオタゴ運動プログラムについての研究を紹介したいと思います。
オタゴ運動プログラムとは?
オタゴ運動プログラムは、ニュージーランドで開発された高齢者の転倒予防を目的とした運動プログラムです。
主に下肢の筋力トレーニングとバランス練習で構成され、自宅で安全に実施できるよう設計されています。
週に数回の運動と日常的なウォーキングを組み合わせることで、転倒リスクの軽減が期待されます。
特別な器具は不要で、理学療法士などの専門家が指導することで、誰でも無理なく継続しやすい点が特徴です。
オタゴ運動プログラムの内容を説明します。
筋力トレーニングは、重錘(重り)をつけた状態で、膝伸ばしや踵上げなどを実施します。
バランストレーニングは、片足立ち、数字の8の字歩き、横歩き、後ろ歩き、立位から座位のトレーニング、膝の屈伸、つま先立ち、かかと歩き、つま先立ち、かかと歩き、つま先立ち、かかと歩き、階段上りなど様々な運動が含まれています。
支持面を減らしたり、複数の方向への移動を含むことでバランスの向上を図るプログラムになっています。
オタゴ運動プログラムの効果 ~ウォーキングとの比較~
今回は、こちらの文献を参考に
対象:65歳以上の高齢者で転倒リスクが高い者
介入内容:オタゴ運動プログラム 45分×3回/週×3か月
比較群 :ウォーキング30分
結果:オタゴ運動プログラム群にて転倒回数の減少、バランスの向上、立ち上がりスピードの向上が認められた
歩行速度に関しては、両群ともに向上しなかった
この研究における結果から、高齢者におけるバランス向上にオタゴ運動プログラムが効果が認められやすい可能性があります。
オタゴ運動プログラムは、さまざまな方向への動き(横歩きや後ろ歩きも含む)で構成されているため、転倒リスク軽減に寄与しやすいのかもしれません。
ユーチューブなどにも内容が載っていますので、興味のある方は参考にして下さい。
いかがだったでしょうか。
今回は、在宅高齢者の転倒予防に効果を認めた、オタゴ運動プログラムについて解説しました。
転倒を減らすために、一つの選択肢として検討しても良いかと思います。
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保有資格:理学療法士、修士(理学療法学)、認定理学療法士(運動器)
住環境コーディネーター2級
略歴:理学療法士免許取得後、大学病院に勤務し、整形外科、神経疾患、がんなど様々な疾患の理学療法に従事する。その後、大手自費リハビリ施設にて勤務し、医学的根拠(エビデンス)の基礎を学び、店舗・訪問リハビリにて利用者様に尽力。その経験を活かし、東京を主に活動する自費訪問リハビリサービスのRehab Tokyoを設立。


