丸まった背中(円背)を改善させるリハビリは?

丸まった背中(円背)を改善させるリハビリは?
今回も前回に引き続き、脊柱の後弯症(円背、丸まった背中)に関するリハビリ手法について紹介します。
本記事を読むことで、脊柱後弯を改善するために必要な運動や、最新のエビデンス(科学的根拠)について理解できるかと思います。
1.研究の概要
2. 結果
3.この研究の注意点
4.まとめ
1.研究の概要
今回紹介する研究はこちらの論文になります。
Katzman WB, Parimi N, Gladin A, Wong S, Lane NE. Long-Term Efficacy of Treatment Effects After a Kyphosis Exercise and Posture Training Intervention in Older Community-Dwelling Adults: A Cohort Study. J Geriatr Phys Ther. 2021 Jul-Sep 01;44(3):127-138.
この研究の概要は以下のようになります。
参加者:最終的には43名(条件:平均70歳代、胸椎の後弯角度が40度以上、歩行可能、手を使わず立つことができる、階段1段上ることができる)
除外した対象者:自力で5度脊柱を伸ばすことができない、立位から臥位(仰向け)になり座位になるなど姿勢変換ができない、腕を90度以上あげることができない、1年に3回以上の転倒、3か月以内の脊椎骨折など
介入:週2回×3か月間行っています。運動のきつさは、”ややきつい”~”きつい”で統一されています。
セラバンドやフォームローラーを用いた四つ這いや、仰向け、うつ伏せなどでの介入(例は下記の画像で示します)




2. 介入の結果

結果:
これらの介入の結果、胸椎の後弯角度が-3.8度(3.8度伸びたという意味)、平均3年間の長期追跡においても1度程度の改善が維持されています。
骨粗しょう症性の圧迫骨折者を15年間追跡した研究では、後弯は7度増加(背中が丸くなった)しており、本研究の後弯の改善を維持できる効果は重要であると考えられます。
Kado DM, Huang MH, Karlamangla AS, et al. Factors associated with kyphosis progression in older women: 15 years’ experience in the study of osteoporotic fractures. Journal of bone and mineral research : the official journal of the American Society for Bone and Mineral Research. 2013;28(1):179–187.
これに加えて、平均3年間の長期追跡にて腰椎の前弯角度が8.9度改善し、腰椎の反りが生まれ姿勢を起こしやすくなっていることがわかりました。
脊柱の後弯に関して、エビデンスが限られている中、効果がみられやすい介入を特定した本研究の意義はとても大きいと思います。
実際には、上記の運動を行いつつ、負荷が足りない側面に関しては重りやバンドを使い負荷を課しており、実際に行うにあたり負荷調整は必要な可能性があります。
3.この研究の注意点
① 対象群がない
この研究では介入の比較対象がないので、ほかの研究に比べてこの介入が優れているかは不明です。
② 研究対象者の特異性
対象者の背骨の骨折有無はわからず、骨折対象者がどの程度入っているのかはわからず、研究としては後弯(背中が丸くなっている人)を集めた形式になります。すなわち、背骨の骨折経験者が本研究を適用できるか否かは、吟味が必要と考えられます。
加えて、過去1年の転倒が少ない、立位から臥位(仰向けやうつ伏せ)などの姿勢変換の容易な人、独歩可能など、比較的運動能力が担保されている方を対象としています。
③ 個々のエクササイズの不確実性
かなり多くのエクササイズが含まれており、どのエクササイズが効果的であるかは本研究からはわかりません。
4. まとめ
今回も圧迫骨折に引き続いて、後弯症についての効果的なリハビリについて解説しました。
通常であればゆっくりと後弯は進行していくものが、3年間もの間、姿勢を維持できている点は非常に有意義な介入である可能性がありますね。
特に、腰椎の反りがかなり大きく増えており、姿勢改善に適したトレーニングの一つとして考えてもよいと思います。
最後に、ご自身がこの研究の対象者とどの程度マッチするかなど考えつつ、参考にしていただければと思います。
後弯症にてお悩みの方に少しでも参考になれば幸いです。
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保有資格:理学療法士、修士(理学療法学)、認定理学療法士(運動器)
住環境コーディネーター2級
略歴:理学療法士免許取得後、大学病院に勤務し、整形外科、神経疾患、がんなど様々な疾患の理学療法に従事する。
その後、大手自費リハビリ施設にて勤務し、医学的根拠(エビデンス)の基礎を学び、店舗・訪問リハビリにて利用者様に尽力する。
エビデンスに基づくサポートができるように、多数の学会発表や論文執筆を通じてさまざまな疾患やトレーニングの学習に励む。
過去の経験を活かし、在宅でも本格的なリハビリをお届けするために、自費訪問リハビリサービスのRehab Tokyoを設立。


